眩しさだけは
忘れなかった。
この記事は「一人アドベントカレンダー Advent Calendar」の15日目ということにしました(なんで?) 昨日はねそさんでした。
Keyの第13作『Summer Pockets』をクリアしました。
Key作品は2013年に『リトルバスターズ!』をプレイして以来、5年ぶり2作目。
ゲーム以外で言えば、TVアニメは『AIR』『CLANNAD』(いずれも京アニ版)『AngelBeats!』『リトバス』『Rewrite』『Charlotte』あと『planetarian〜ちいさなほしのゆめ〜』は視聴済みです。
思えば、初めて買った恋愛アドベンチャーゲームがリトバスでした。そのリトバスでバカ泣きし、CLANNADアフターでバカ泣きし、AB!のラストも何が駄目なのか一生理解できないタイプのオタクなので、Keyには適性があるほうだと思います。
そんなわけで感想です。
「面白かった」より「楽しかった」「やってよかった」。そんなゲームでした。もちろん、面白かったことは言うまでもなく。
たぶんリトバスやったときも同じようなこと言ってたと思います。今となっては確認のしようがありませんが。
なにより、初めて真剣に「聖地巡礼したい」と思わせられました。それだけ舞台と空気感が魅力的な作品です。できれば夏にプレイしておくべきだった。
オープニング
鈴木このみさんが歌う『アルカテイル』。作曲は折戸さんです。
アニメ・ゲームの主題歌を歌いまくっている鈴木このみさんですが、元々正統派歌唱力でグランプリを獲った割には若干色のある曲歌わされがちだな〜と思っていました。というかカオチャEDあたりで認識が止まっていた。
なので先に知っていたら逆に驚いたと思います。
Keyじゃん。完全にKeyのOP。これが鈴木このみの真の力なのか……
イントロのピアノも伴奏入る瞬間も好きだし真っ白な画面に上からパンしてくる水平線が美しいですね。
この時点でこのゲームは「本気」なんだなということが誰にでも伝わります。
ちなみに、YouTubeに公式から動画が上がっています。
もしこれを見て何か少しでも感じるものがあったら、もうこんなページは読まなくていいので今すぐ買ってください。
あらすじ
亡くなった祖母の遺品整理を手伝うため、主人公の鷹原羽依里は、夏休みを利用して鳥白島にやってきた。
1日数本しかない連絡船を下りたとき、1人の少女と出会う。
彼女は潮風に髪を遊ばせながら、遠くを…海とも空とも言えない境界線をただ眺めていた。祖母の家に着くと、叔母が既に遺品整理をしていた。
親戚の少女と共に手伝いながら、「島の生活」に順応していく。海を見つめる少女と出会った。
不思議な蝶を探す少女と出会った。
思い出と海賊船を探す少女と出会った。
静かな灯台で暮らす少女と出会った。
島で新しい仲間ができた――
この夏休みが終わらなければいいのにと、そう思った。
http://key.visualarts.gr.jp/summer/story.html
田舎の島で、忘れてしまった夏休みの過ごし方を取り戻すお話です。いわゆる「夏ゲー」です。
あとは公式見て。
概観
【プロローグ】 → 【自由行動パート(7月末〜8月1週)】 → 【個別ルート】
の形になっており、自由行動パートでは毎日午前と午後の2回、マップから行きたい場所を選んで行動します。
ヒロインに会いに行くほか、男連中と駄弁る、神社へのお参り、ミニゲームなど日時に応じて様々なイベントが起きる。ほとんどのイベントは日によって内容が変わるので、3、4周程度では全く飽きがこないです。
このパートで特定のヒロインにフラグを立てればそのまま個別ルートへ、誰とも仲良くならなければそのまま本土へ帰ることになりゲームオーバーとなります。
以下感想(ネタバレもあるぞ!)
一応アレそうなところは反転させておきますが、自己責任で。
お話としての良さは鴎>紬>しろは>蒼かな。
自分の好み込みで思いっきり主観的に言えばしろは=蒼≧鴎≧紬という感じです。
キャラクター
キャラとしてはやっぱり蒼が一番好きですね。トニカクカワイイ。どう可愛いのかはやればわかります。仲良くなる展開は秘密を共有→急接近という王道だけど、ヒロインとしてではなくどのルートどのシーンにいても好きになれますね。
ビジュアル的には美希(のみき)が一番好きかもしれない。ちんまい+ショートボブ+スパッツ最高ですね。 ちなみに特定の日に特定の場所に行くと、のみきと食事に行くイベントがありました。残念ながらCGは無かった。FDください。
あと、これも色々なところで見る感想ですが、嫌なキャラクターがいない。みんないい奴なんですよ。ほんとに。徳田もね
個別ルートの感想
実際に攻略した順に書きます。
空門 蒼 / SORAKADO AO
蒼ちゃんが好きなので最高のルートです。
とにかくニチャニチャできる最高のルートです。
まぁ、それはそれとして
大筋としては蒼ちゃんとイチャイチャしながら島の持つ秘密に迫っていき、そこに蒼の抱える秘密も関わってきて……というようなお話。
好感度を十分に上げた状態で特定の日を迎えると、分岐イベントが発生します。
好感度が足りないと、√入り選択肢を選んでも会えないか、そもそも選択肢が出現せず翌日帰宅エンドになるっぽい。
初週はなんとなく選んでいたら蒼√になりました。難易度としても恐らく入りやすいんじゃないだろうか?(ある程度神社や秘密基地に寄っていても入れたので)
藍が目覚めるまでは文句の付け所がなく、また七影蝶という物語の根幹に関わる存在についても色々と判明する。紬√の灯台守(後述)の記憶も登場する。
少し残念なのは、藍覚醒→蒼昏睡の流れが日を跨いだりしてちょっと間延びしていたこと。
このゲームの前提として、限られた夏休みの間に一連の片が着かないといけないという制限があるので仕方ないんですが、藍が目覚めてからのパートがちょっと短すぎる気がしました。間延びしてるのに短いってどういうことやねんというと、要はパンチが弱いってことですね。
ただ、√END後は藍と一緒に蒼の記憶の七影蝶を見つけ出し目を覚ますことが示唆されているので、無理のないAfterが想像できるルートでもあります。
あと唯一 #そぎぎ したことがかなりはっきりとわかるルートでもあります。
一部では「蒼姦」とか言われているらしいです。やめてさしあげろ。
久島 鴎 / KUSHIMA KAMOME
シナリオとしては一番良かったんじゃないかと思うルートです。 初対面から主人公の名前を知っている鴎さん。ここで既に「実は子どものころ島で遊んだ幼馴染なんでしょ?」というフラクがバキバキに立ちます。その後も冒険を続けていくと何度もへじゃぷを感じる羽依里。うーんこれはもう確定やろなあ…
まあ全部ミスリードなんですけどね。
このトリックには素直に驚かされました。 鴎が姿を消し、冒険が作られたお話だったとわかったことで、鴎の存在が一旦すごく曖昧になるんですよね。鴎は本当にいたのか?と。ところがそこからお母さんが登場して話が急に現実に引き戻される。巧いですね。
終盤、鴎の夢を実現させるために羽依里が奔走するところはただ素朴に良かったと感じます。でもこれって多分鴎が「もういない」と提示されたからこそ素直に受け取れるんでしょうね……ある意味ずるいです。
最後、港に集ったメンバーを連れて入り江に辿り着いたときはもうちょい盛り上がりが欲しかったかな?いや十分ウルッときたんですが、完成した海賊船と仲間達が集っているCGがあったら最高だった。
END後の再会は……どうしたら可能なんでしょうか?
鴎は「二度と目を覚ますことのない眠りについた」のであって「死んだ」とは言われていないんですよね。
すると藍と同じで自身の記憶を持った蝶が飛び去ってしまった(本編開始前に北欧で蝶が抜ける=完全に昏睡→鳥白島まで渡ってくる→本編開始)だけで、羽依里は世界を駆け巡って蝶を見つけ出した――という妄想はかなり無理がありますね……
ところでなぜ鴎は羽依里の名前を知っていたのか?ファンレターをくれた人の名前を全部覚えていたとしても、羽依里が羽依里だとわかる理由にはならないよね……(本編で言及してたら済みません)。
ほとんど白塗りになってしまいました。気になる人は製品版をプレイしよう!
紬 ヴェンダース / TSUMUGI WENDERS
いいお話です。いいお話だとは思うんですが…… 正直、個人的にはあまりハマりきれなかったルートです。
まずメタなところから言うと、3周目にプレイしたのがよろしくなかった。
この紬√では第三のメインキャラとして静久が出てくるわけですが、1・2周目では全く登場しなかったこともあって、前半はイマイチよくわからんな〜と思いながら進めていました。なんというか、紬ルートだから紬というキャラを理解しなきゃ!となっているのに、同時に静久にも思考を割くことになると、自由パートでもあまり表立った絡みがないぶん理解が大変になってしまうというのがあったんでしょうか。
中盤以降はやっぱりおっぱいさんがいないと駄目やねと感じるようになっていったので、間違いなく必要なキャラではあったと思うのですが。
あとは、どうしても灯台中心に話が進むので動きが少ないことも、前半がぱっとしなかった要因かもしれません。
ラストはとても良かったです。ただまあ、ジーンとはしたものの泣きはしませんでした。
筋立てとしては良かったものの、七影蝶の設定が直接出てこなかったのが残念です。「ツムギと一緒に長い時間を過ごしたことで紬にも記憶が蓄積され、やがて人格を得た」ということなんでしょうが、あんまり本筋には絡んでこないんですよね。ある意味でKeyっぽさはありますが、サマポケのいちルートとしてどうか?というと微妙でした。
ツムギについても特に解決はしてないしね……
鳴瀬 しろは / NARUSE SHIROHA
かなり条件が厳しい……気がする。初日7/29AMにしろはを選んで「近づかないで」を聞かないとダメ?(選び損ねると後半目に見えて出現が減る……気がする)
その後も寄り道なしで選択し続けると結構早い時期にルートが確定した。
ヒロインと主人公が信じあい運命を打破する、ザ・王道の展開です。ほぼすべてのキャラが満遍なく登場するのでやっていて楽しい。
ただそこで終わらないのがKeyですね。
溺れたときに一瞬しろはの様子が変わり……
1周目で初っ端からしろはを選び続けてこのルートを始めると、プレイヤーとしては良一や天善とまだ碌に交流してもいないのになんかいきなりオールスターだな!?みたいな気持ちになる可能性がありそうですね。
それか制作側からの「最初は適当に遊び回ってたら帰宅ENDになるでしょ?そしたら次からは気合い入れてね」という暗黙のメッセージなのか?わからん。
まあ島の連中はみんないい奴なので、「特に深く関わってなくてもいざというときには助けてくれる」とも取れるんですが。
どうせこのルートだけでは終わらないのだしどのタイミングでやってもいい気はするんですが、やっぱり(プレイヤーが)島の人たちと十分に交流を深めた3、4周目くらいにやるのがいいのかもしれません。
攻略順について
上述のとおり僕は 【蒼】→【鴎】→【紬】→【しろは】 の順でプレイしたのですが、やってみた結果、内容面では各ルートがそこまで深く絡み合っていることもなかったので、ぶっちゃけどんな順番でもいいんじゃね?てなお気持ちです。
特定のルートに特定の役割を強く持たせているわけでもないので、個別ルートにおいてはどのヒロインも対等と言えます。
出来の面でも、多少の好き嫌いはあれど極端に低評価をつけるようなものがないので、あとはもう本当に直感でいいんじゃないでしょうか。
僕はメインヒロインを初回で攻略したくないという謎の感情があるので一番後ろに回してしまいましたが、結果としては良かったと思います。
個別ルートまとめ
1ルートあたりのボリュームはだいたい3時間ちょいといったところでしょうか。ゆったりやっても1周に5時間はかからないくらいだと思います。感覚としては「中編」くらいですね。短いとは感じないがめっちゃ長いというわけでもないです。
ただ前述のようにどのルートも強い不満はなく、しっかり楽しめました。
どうしても唯一既プレイのリトバスと無意識に較べてしまうところはあるんですが、本作はライター3人体制ながらもどのルートにもよく力が入っているな、と感じられたのは良かった点です。
おわりに
いかがでしたか?(アフィブログの魔法の締め言葉)
ちょっとでも気になったという人は騙されたと思って一度体験版をプレイしてみてください。損はしません。
もしくは世界一美少女ゲームの実況が上手い男の動画を見てください。
正直この記事よりよっぽど面白さが伝わると思います。
【2018/12/18追記】
Summer Pockets iOSアプリ版配信開始いたしました。
— Key開発室 (@key_official) 2018年12月17日
いつでも、どこでもサマポケをお楽しみいただけます。
共通ルート(作中7月26日~8月7日)まで無料!
今なら「鳴瀬しろは」ルート無料で最後までプレイできます。https://t.co/gwkO0k3GoH
※Android版は近日配信予定です。#サマポケ pic.twitter.com/4EVLSH9IrV
なんとiOS版が配信開始したようです。タイミング良すぎない?
しかもしろは√が無料だって!?Appleユーザーならやるしかない。
なお卓球と島モン(この記事で一切説明してません)は実装されないようです。やっぱりPC製品版を買おう!
Android版も近日配信だそうです。楽しみですね。美少女ゲームも時代はモバイル、タブレットがほしいこの頃です。
そんなわけでKey最新作『Summer Pockets』の感想でした。
はい。
...
【警告】この先には深刻なネタバレがあります。
知ってた。
おわりのおわり
続きは製品版で。
明日はたっくんさんです。遅刻してすみませんでしたよろしくお願いします。